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Channel: 六色 ~おそ松さん 少し悲しげな六つ子のお話~
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六色 1-3

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「!」

 チョロ松は屋上の入口に目を向けた。おそ松はいる。どこからか安心感が湧いて、顔がほころんだ。それに気が付くと、チョロ松はキュッと口を結んで、屋上を覗いた。見えたのは、チョロ松の安心を壊す光景だった。

「え……

 おそ松が屋上の柵をこえ、小さな足場に立っていた。今にも落ちてしまいそうだ。

 長年の勘、とはよく言ったものだ。ここまで一緒に生きていると、あたってほしくないところまで予測できるのだろう。

 気が付くとチョロ松は叫んでいた。

「おそ松兄さん!」

 おそ松がこちらに顔を向ける。その目は大きく見開かれた。その直後だろうか。

 おそ松の体は徐々に傾いて、柵とは反対の方向に落ちていった。

「あ……

 おそ松の姿はもう見えなくなっていった。チョロ松はハッとすると来た道を引き返した。全速力を出し切って走った。体力を使い切ったような気になっていたが、まだ走れる。

 チョロ松は家に帰ると、急いで布団に潜り込んだ。午後2時。寝るのには早すぎる時間帯だが、チョロ松は今の光景を忘れようと、悪夢を見ただけだと、そう願ってギュッと目をつぶった。


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