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Channel: 六色 ~おそ松さん 少し悲しげな六つ子のお話~
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六色 1-7

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チョロ松が帰ると、もう4人は帰ってきているようだった。少しではあるが、慌てた声が2階から聞こえる。チョロ松はボーッとしながら部屋に入った。チョロ松が帰ってきたことに気づくと、トド松はチョロ松の肩をつかんだ。

「どうだった⁉ おそ松兄さん、いた⁉」

……え?」

「だから、おそ松兄さんみつけ――。……どうしたの、チョロ松兄さん? なんか、おかしいよ?」

 トド松が不安そうに顔色をうかがってくる。それを見て、チョロ松は顔色が悪くなっていたことに気づいた。

「大丈夫、大丈夫だから……

 キュッと胸に手を当て、チョロ松は苦しそうにつぶやいた。

「で、いたか? チョロ松」

 カラ松も心配した様子で聞いてくる。

 そういえば、もう午後だ。時間が経つのは早いもので、もうその時間は戻ってこない。わかっているようで、難しいことだ。

 チョロ松が黙っていると、一松が話し始めた。

「チョロ松兄さん、おそ松兄さん見た? 俺らはパチンコ見てまわってたけどいなかったよ。てか、チョロ松兄さんはどこに行ってたのさ」

 一松の淡々とした口調に少し後ずさった。いつもより、みんな真剣になっているのは、やはり勘が働いているのだろう。

「これ、やばいよ。やっぱ、警察とか、呼んだほうが……

 トド松が目を伏せながらそう言った。次の瞬間、チョロ松は思考より先に口が動いていた。

「警察なんかいらないっ――!」

 その言葉は予想以上に部屋に響いていた。兄弟はもちろん、チョロ松自身も驚いていた。

 なんで、そう思ったのかは自分でもよくわからない。ただ、1つ思い当たる節があると言えば――

 チョロ松はごまかすように、次の言葉を懸命に探した。

「えーと、その……ほら、僕、みたよ。おそ松兄さん。イタズラしてる時の顔で笑ってどっか行っちゃったけど」

 チョロ松は曖昧に微笑み、兄弟の様子をうかがった。

「なぁーんだ」

 空気を和ますように、十四松が笑って言った。それに続き、トド松も笑った。

「もー、余計な心配しちゃったよ。あのクソ長男、帰ってきたらお仕置きと説教おぼえといてよねー!」

「チョロ松は昔からおそ松といることが多かったからな。居場所がわかったのも意思疎通な部分があるからかもな」

 カラ松が微笑むと、チョロ松の胸はギュッと締め付けられた。それを表に出さぬよう、チョロ松は「うん」とうなずいた。

「猫缶おごらせてやる……

 一松も、安心したように笑った。

「そうだな、おそ松に心配かけさせられたから、いないうちに梨食べるか、ブラザー?」

 珍しくカラ松がにやりと笑う。そして、十四松を先頭に「梨ー!」と、下へ降りていった。

 チョロ松はそんな兄弟の様子を見てため息をつくと、部屋を出て、戸を閉めた。


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