〈あらすじ〉
りょうくん曰く、野菜を食べないとヒーローは変身できない。
宝/「な、何だってー!?」
宝くんの中で、食べられる野菜はスイカだけのようです。
3-8
ユ/「そう言えば、文月は? まだ寝てるのか?」
り/「ああ。まだ寝てる」
宝/「よし、文月の分の肉をもらって、代わりに野菜をあげよう!」
だめでしょ。
その時、一陣の風が吹いた。いや、ちょっとかっこよく言おうとしたら変になった。
文/「いっただきまーす!」
文月くんは一瞬にして、自分の席についていた。
心/「えー!?」
早すぎじゃない?
り/「おー、あの文月があっさり起きた! 奇跡だ!」
ウ/「毎朝こうだといいのに」
ウキョウくんはやれやれと頭を抱えた。今まで文月くんの寝起きの悪さの被害に遭ってきたんだね。どうなるのか知らないけど。
巫/「わー、ホントに美味しいね。でも、甘さが足りないね」
心/「巫咲ちゃん、いつの間に!? てか、ジャムと砂糖かけすぎ!」
巫咲ちゃんはサンドイッチが見えなくなるほど、ジャムと砂糖をかけていた。流石にやりすぎだよ!
ウ/「匂いが甘すぎるんだけど! 絶対に美味しくないだろ!?」
キ/「ジャム瓶1個丸々と砂糖1袋は、もったいないだろ。もっと節約しろよ」
り/「キラヤ、突っ込むとこそこ!? もっと言うべきところがあるだろ! なんでお前は時々天然なんだ?」
キ/「天然じゃないし」
ユ/「せっかく作ったのになぁ」
宝/「あ、オレ無理だー。これ無理なやつだ」
心/「本当に食べるの? よく食べれるね」
巫/「えへへー、食べる?」
心/「褒めてないし、食べないよ!?」
巫咲ちゃんは躊躇することなく、ジャム瓶丸ごとと砂糖袋一つ分を、サンドイッチにかけた。サンドイッチは元の香ばしい匂いを失っていた。
文/「甘いものにさらに甘いものをかけるなんて、甘いものへの冒涜だよ」
突然、文月が低い声で言った。いつもの明るい声からは想像もできないような低い声だ。
り/「やっべ、文月がキレる」
心/「なんで? 何が起こるの?」
いつになく真剣な顔をしているみんな。なんでそこにユウヤ混じっているの。お前にとったら、はじめての出来事でしょ。
キ/「文月はキレると手がつけられないんだ。しかも、今は文月の大好きなお菓子のことだ」
ウ/「余計に悪化するな」
キラヤくんもこう言ってるし、本当に大変なことがわかった。あ、ほかのみんなを信用していないわけじゃないよ? でも、普段が普段だからね。
宝/「大変だー! 早く止めなくては!」
なんでだろう。宝くんが言うと、大変さが伝わってこないね。
ユ/「魔物が目覚める! 止めなくては!」
心/「完全に遊んでるね!?」
やばい。この流れはダメなやつだ。あのパターンだ。みんなは文月くんを止めるのが最優先らしいけど、私にとってはこの流れを断ち切るのが先な気がするよ。
その時、りょうくんのスイッチが入った。そして、私の野望は消え去った。