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Channel: 六色 ~おそ松さん 少し悲しげな六つ子のお話~
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にじいろ 3-8

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〈あらすじ〉
 りょうくん曰く、野菜を食べないとヒーローは変身できない。
 宝/「な、何だってー!?」
 宝くんの中で、食べられる野菜はスイカだけのようです。

3-8

/「そう言えば、文月は? まだ寝てるのか?

/「ああ。まだ寝てる」

/「よし、文月の分の肉をもらって、代わりに野菜をあげよう!

 だめでしょ。

 その時、一陣の風が吹いた。いや、ちょっとかっこよく言おうとしたら変になった。

/「いっただきまーす!

 文月くんは一瞬にして、自分の席についていた。

/「えー!?

 早すぎじゃない?

/「おー、あの文月があっさり起きた! 奇跡だ!

/「毎朝こうだといいのに」

 ウキョウくんはやれやれと頭を抱えた。今まで文月くんの寝起きの悪さの被害に遭ってきたんだね。どうなるのか知らないけど。

/「わー、ホントに美味しいね。でも、甘さが足りないね」

/「巫咲ちゃん、いつの間に!? てか、ジャムと砂糖かけすぎ!

 巫咲ちゃんはサンドイッチが見えなくなるほど、ジャムと砂糖をかけていた。流石にやりすぎだよ!

/「匂いが甘すぎるんだけど! 絶対に美味しくないだろ!?

/「ジャム瓶1個丸々と砂糖1袋は、もったいないだろ。もっと節約しろよ」

/「キラヤ、突っ込むとこそこ!? もっと言うべきところがあるだろ! なんでお前は時々天然なんだ?

/「天然じゃないし」

/「せっかく作ったのになぁ」

/「あ、オレ無理だー。これ無理なやつだ」

/「本当に食べるの? よく食べれるね」

/「えへへー、食べる?

/「褒めてないし、食べないよ!?

巫咲ちゃんは躊躇することなく、ジャム瓶丸ごとと砂糖袋一つ分を、サンドイッチにかけた。サンドイッチは元の香ばしい匂いを失っていた。

/「甘いものにさらに甘いものをかけるなんて、甘いものへの冒涜だよ」

 突然、文月が低い声で言った。いつもの明るい声からは想像もできないような低い声だ。

/「やっべ、文月がキレる」

/「なんで? 何が起こるの?

 いつになく真剣な顔をしているみんな。なんでそこにユウヤ混じっているの。お前にとったら、はじめての出来事でしょ。

/「文月はキレると手がつけられないんだ。しかも、今は文月の大好きなお菓子のことだ」

/「余計に悪化するな」

 キラヤくんもこう言ってるし、本当に大変なことがわかった。あ、ほかのみんなを信用していないわけじゃないよ? でも、普段が普段だからね。

/「大変だー! 早く止めなくては!

 なんでだろう。宝くんが言うと、大変さが伝わってこないね。

/「魔物が目覚める! 止めなくては!

/「完全に遊んでるね!?

 やばい。この流れはダメなやつだ。あのパターンだ。みんなは文月くんを止めるのが最優先らしいけど、私にとってはこの流れを断ち切るのが先な気がするよ。

 その時、りょうくんのスイッチが入った。そして、私の野望は消え去った。


にじいろ3-9 に続く

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