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にじいろ 3-7

〈あらすじ〉
 文月の寝起きは最悪だそうな。そして、ユウヤが見当たらぬ。

3-7

みんなと一緒に階段を降りると、テーブルには朝ごはんが用意されていた。

/「あ、おはよう。顔洗ってきて。もうご飯は出来てるから」

 そして、エプロン姿のユウヤがいた。

/「これ、ユウヤが作ってんの?

/「そうだけど? あ、薬品とかは入ってないから安心して。無添加、無農薬だから」

 ユウヤは元々私の家で暮らしているから、ユウヤが料理作るのは知っているけど、こんなに上手だっけ?

/「さ、食べよーぜ」

 ユウヤがみんなをテーブルにつかす。

/「見た目は美味そうだな」

/「実際、美味しいって言ってよ」

 素直に褒めないウキョウくん。だけど、美味しそうに食べている。ちなみに、メニューはユウヤ特製、野菜たっぷり肉たっぷりの、栄養満点サンドイッチ。ユウヤはサンドイッチが大好物なだけあって、こだわりもあるらしい。オリジナルらしいけど。

/「うえー、野菜入ってる」

/「宝くん、野菜嫌いなの?

/「だって、味ないし、まずいもん」

/「野菜も食え。いつも残してるだろ。栄養が偏る」

 キラヤくんのオカンバージョン。キラヤくん、君はいつでもお母さんになれるよ。男だけど。

/「七宝もガキだな。そんなんでヒーローになるつもりか? 無理無理。お前にはなれない」

/「なんでだよー。なれるもーん」

/「知ってるか、宝」

/「何?

/「野菜を食べないと、変身できないんだって」

/「な、何だってー!

 いや、元々変身なんて出来るわけないよ。でも、これで食べるかな?

/「よし、ならスイカを食べよう!

/「なぜそうなる!?

 ウキョウくんが食い気味につっこんだ。確かにスイカは野菜だって言うけど、ちょっと違う気がする。いや、栄養はいいと思うよ? でも、野菜嫌いを克服したことにはならないと思う。

にじいろ3-8 に続く

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